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デンドロビューム栽培のポイント

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デンドロビューム栽培の ポイント










デンドロビュームの育て方

植え込み・鉢増し

●水苔で植える方法
素焼鉢との相性がよい植込材料です。化粧鉢やプラ鉢では乾きにくく根腐れしやすいため、栽培管理に注意が必要です。水苔は値段がやや高いのが難点ですが、水苔自体にわずかながら肥料分があるためか、根の活着や生育が比較的早く、初心者の方にも無難です。繊維の太い良質なものを用い、水に浸してよく水を吸収させてから軽くしぼってから使用します。やや固めに植えるようにします。

●ヤシガラで植える方法
【ヤシガラはアク抜きを】
化粧鉢またはプラ鉢など、むしろ通気性がない鉢との相性がよい植込材料です。店頭でよく見かけるデンドロビュームの多くがこのヤシガラで植えられています。これはヤシガラの方が安価なため、大量に栽培する農家が生産コストを低減する目的で使用しているからです。また寄せ植えなどで大鉢になった場合に、水苔よりも管理が容易で栽培しやすいという理由もあります。ヤシガラも、やや固めに植えるようにします。

●鉢のサイズ
【鉢選びは小さめに】
根が収まる範囲でなるべく小さめのものを使用します。大きすぎる鉢は根にとって大きな負担となります。大きい鉢は中が乾きにくいため、根もいったん湿るとなかなか乾かず、根腐れの原因となりやすいのです。気をつけたいポイントです。

●植え方
【植え込み直後の灌水は禁物!!】
まず鉢の底に4分の1くらいの発泡スチロール片を入れてから植えます。根が乾燥している場合、根に少し湿気を与えて根が軟らかくなってから植えましょう。根の間にも植込材料が充分ゆき渡るようにし、根はなるべく鉢の周囲に添って、バランスよく拡がるように植えます。長い根は切らずに鉢の内側に添って螺旋(らせん)状に回し込みます。根が傷んだ株は、根の腐った部分のみ取り除いて植えます。植え込む時に注意しなければならないのは、深植えをしないということです。根の部分のみが植込材料の中に入り、茎の基部は必ず地表部に露出していなければなりません。やがて新芽が出てくる部分が植込材料の中に埋もれてしまわないようにします。鉢上げ(株を大きい鉢に植え替えること)は毎年行なう必要はなく、根がよく張って鉢の中に根が伸びる余地がなくなった場合にのみ、ひとまわりだけ大きい鉢を用いて行ないましょう。根が健全で、鉢の中に根が伸長する空間があり、植込材料が傷んだ様子がなければ、植え替えや鉢上げは行なう必要はないでしょう。また、「株分け」は、根を傷つけ生育を鈍らせるため、どうしても必要な時(株が大きくなり過ぎた時など)以外はなるべく避けたいものです。

●植え込み後の管理

植え込み直後の灌水は禁物です。ここが一般の多くの植物と大きく異なる所です。植え込み後2週間くらいは多量の灌水は控え、やや乾燥気味に管理し、根の回復を待ってから徐々に灌水量を増やします。肥料は根が伸び始めてから徐々に施すようにします。油粕は植え込み後3か月位は与えてはいけません。植え替えは夜間の最低温度が12〜13℃以上になり、新芽がスタートし、その新芽から根が伸び始めてから行ないます。植え終わった株はひと月位はやや光線の弱い場所に置きます。


置き場所

【夏は戸外に出して、丈夫な株に】
気温が上昇する5月頃より10月頃までは屋外の風通しのよい、日当たりのよい場所で育てましょう。梅雨の雨にあてると驚くほどの根が張り、立派な株に育ちます。あまり長雨が続き、病気の発生が心配されるならば少しの間軒下にでも移せばよいでしょう。健全な生育のためには快適な環境を整えてやることが大切です。通風をはかることもたいへん重要なことです。また、日当たりの悪いところ、風通しの悪い所、コンクリートの床の上のような照り返しの強い所などは避け、できれば地面より数10cm離れた棚の上で育てたいものです。人間にとって快適に過ごせる環境が、デンドロビュームにとっても快適な環境と理解しておけばいいでしょう。

水やり

【水やりが最も重要】
新芽が盛んに伸びる生育期には充分灌水し、休眠期には思い切って灌水を控え乾燥気味に管理するのが基本です。本来、着生植物で、根だけで高い樹上に張り付いて生育する植物を、人間の都合で鉢植えにして育てるわけです。根腐れなどを起こさせない適度な灌水を慎重に行なわなければなりません。常に新鮮な水と、また新鮮な酸素も同時に供給するということがポイントです。鉢の下に皿を受けて水を溜めておくということは、いつの季節においても絶対に避けて下さい。一般の地面に生える植物とは異なるということをまず認識していただきたいと思います。

12〜2月
バルブもほぼ完成し、新芽も成長していないこの時期は、水もほとんど必要ありません。気温も低いこの時期は、鉢の中が充分に乾いてから、夕方までには完全に乾き切る程度のわずかな量を与えます。7〜10日に1回程度、晴天の日の午前中に行ないます。鉢の中が湿ったままで10℃以下になれば、根を傷めることになります。

3〜5月
日中の気温はやや上昇してきたとはいえ、明け方の最低気温が10℃以下に下がるようであれば灌水は控えます。4月を過ぎて夜温の上昇とともにわずかに灌水量を増やします。新芽が盛んに成長を始める5月頃より本格的な灌水を開始します。

6〜8月
高温で生育も盛んなこの時期、充分な灌水を行なうようにします。根もよく張り、朝灌水しても昼過ぎには乾いているかも知れません。特に水苔で素焼鉢に植えられたものは注意が必要です。朝灌水したからと安心していると昼頃には完全に乾燥し、生育が鈍ったりバルブの充実の妨げになったりするに留まらず、高温障害や葉焼けなどの害を生じる場合も考えられます。高温時に水が不足すると、株が脱水症状を起こし衰弱してしまうのです。水分の補給が充分できていれば、気温が30℃や場合によっては40℃近いような高温になっても、デンドロビュームは蒸散作用で植物体の温度を調節し、高温障害は起こしにくいものです。なお真昼の高温時、水滴が新芽の展開しているところや葉の上に溜まれば、短時間でお湯のような高温になって株を傷め、病気を発生させる原因にもなります。この時期の灌水はなるべく朝方または夕方の涼しい時間帯に行なうよう心掛けましょう。


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9〜11月
朝夕冷え込み始める頃より徐々に灌水の回数と量を少なくし、11月頃にはバルブの充実を妨げない程度の最低限の灌水になります。生育期のような大量の水は必要ありません。9月に灌水量を徐々に減らし、生育後期の管理に切り替えることが大きなポイントとなります。灌水を控えなかったために、せっかく立派に育った株の根を傷め、失敗した例は枚挙にいとまがありません。鉢がよく乾いたら晴天の日の午前中に、ごくわずかな量の灌水を3〜5日に1回位の割合で行なうとよいでしょう。夜間の最低温度が10℃以下に下がるようになれば、7〜10日に1回程度となります。

開花時期
蕾が大きくなるに従い、わずかに灌水量を増やします。基本的には鉢の中が夕方までには乾く程度とします。あくまで花は株の力で咲かせるのであり、灌水が多いからといって立派な花は咲きません。またこの時期の水のやり過ぎは、根傷みを起こし取りかえしのつかないことにもなりかねませんので注意が必要です。
※注意:ここでの水やりは、一般家庭での無加温栽培を前提にしています。

【ポイント中のポイント「生育期はしっかり灌水し、冬は思い切って乾かしておく」】

肥 料

【肥料は控えめに】
基本的には夜間の最低気温が10℃以上になってから肥料を与えます。「洋らん専用液肥」の1,000倍液など、洋らん用の液肥を所定の濃度で月に2〜3回与えると良いでしょう。開花株については、8月上旬までで施肥は打ち切ります。8月以降に肥料が効くと花付きが悪くなるので注意が必要です。根がよく張っている株には油粕の置肥もたいへん有効です。また、洋らん用と表示してあってもシンビジュームを基準に説明してあるものは、デンドロビュームにとっては強すぎるので注意が必要です。決して肥料をやり過ぎないようにして下さい。肥料が効き過ぎて茎や葉の色が濃くなった場合には、第一リン酸カリ(KH2PO4)の1,500倍液を9月までに1〜2回施すとある程度効果があります。開花株の場合、秋にやや茎葉が色あせているくらいの方が花はよく咲きます。根が傷んでいる場合には肥料は与えないようにします。


光 線

【光線が大好き】
基本的にはデンドロビュームは光線をたいへん好む植物です。葉焼けしない範囲でなるべく日光にあてたいものです。特に開花株はできるだけ光線に当てて茎の充実をはかりましょう。風通しがよい環境で周年直射光線下で栽培できれば理想的ですが、現実には葉焼けや高温障害を起こす場合が考えられますので、一般的には光線の強まる5月上旬より9月いっぱい位まで40%くらいの遮光をします。また、開花時期に屋内で蕾が脹らんできた株は、ガラス越しであっても光線が強いと、蕾が黄変して枯れる場合があるのでレースのカーテンなどで少し遮光しましょう。


病虫害

【病気予防は生育環境をまず整えることが第一】
他の園芸作物に比べ、病虫害にはたいへん強い植物です。多湿や灌水過多、過繁茂による通風不良を避け、生育環境を整えることは病虫害予防にとって効果があります。まず葉に黒や褐色の斑点が出るような病気は一般的に低温多湿の場合や、葉焼けなど葉の表面の組織にストレスが与えられた場合によく発生します。ダイファー水和剤の500倍液、あるいはトップジンM水和剤の1000倍液などを散布します。新芽が溶けて枯れる軟腐病にはマイシン系の農薬を散布します。スリップスやダニなどは、発生すると葉の裏が白っぽく光沢がなくなるので発見できます。殺ダニ剤を散布します。少量であれば湿らせたティッシュで拭き取ります。カイガラムシは、葉や茎に黒いススや白いわたのようなものが発生した時に、よく観察すると発見できる褐色の小さい固い虫や白い綿のような虫です。カルホスやジメートエートなどの殺虫剤を散布します。ナメクジやカタツムリも、発見したら補殺するかナメキットなどで駆除しましょう。

花を咲かせるポイント

【肥料が多いと花が咲かない】
●風通しの良い場所で日光によく当てて栽培し茎(バルブ)の充実を図ること。特に10月以降は、終日直射光線下で光線にしっかり当てて充実を図りましょう。
●肥料は8月上旬までで打ち切ること。油粕のように効き目が一定期間続くものは、遅くまで肥効が残らないように充分計算して与えるようにしましょう。一般の草花などに用いる固形肥料は、効き目が強すぎる場合があるので注意しましょう。
●茎が充分完成した株は、夜間の最低気温14℃以下の低温に合計の回数が25回くらい当たると、花が咲く準備ができます。暖かい地方では10月下旬頃まで戸外の軒下に置いてから室内、あるいは温室にとり込めばよいでしょう。


Q&A
寒さに当てたのに咲かない、あるいは
花が茎の途中にしか咲かないのは?

【秋遅くまで外に置くのは間違い?!】
茎の充実が不完全な株はいくら低温にあたってもなかなか咲きません。昔の古い品種は、完成してからほぼ一年経過し、落葉した古い茎(バック・バルブ)に咲くものがほとんどでした。したがって、秋にそのまま戸外で寒さに当たれば咲いたのです。しかし、最近の品種のほとんどは春から成長を始めて、数か月後に完成した茎にたちまち花を着けます。もし、その茎の完成が不充分であれば、茎の途中の早く充実した節のあたりにのみ咲く結果となります。寒さに当てる前に茎を先まで太らせる方が先決です。早めに屋内の暖かい、日当たりの良い場所に移し、茎の充実をはかりましょう。必ずしも屋外に置いておかなくても、一般家庭であれば、花芽の分化に必要な低温は秋冬の明け方の冷え込みで、屋内でも充分当たります。


デンドロビュームの
鉢物を入手した場合の管理方法

●置き場所
花を長もちさせるにはなるべく温度の低い場所(5℃〜10℃)に置きましょう。暖房器の近くなど、高温で乾燥しやすい場所では花も早く終わってしまいます。

●光線
あまり必要ありません。晴天時にたまに灌水した後、乾燥を促すために戸外に短時間出すのであれば、その際にあたる日当たり程度で充分です。花が終わった後は、室内の日当たりの良い暖かい所に移し、新芽の成長を待ちましょう。

●水やり
ほとんど必要ありません。湿った状態で冷え込めば根が傷み、花も早く終わります。鉢の中が乾燥してさえいれば、かなりの低温にも耐えることができます。7〜10日に一度、夕方までには乾き切る程度のごくわずかな量を与えるようにして下さい。

●植え替え
暖かくなるまでは植え替えは控えます。また、鉢の中が根でいっぱいでなければ、植え替えは必要ないでしょう。根がいっぱいであれば、根はほぐさずにひと回りだけ大きい鉢に鉢上げするようにしましょう。株分けはなるべく避けたほうが無難です。

●その他
【花が終わった茎もすぐには切らない】
花が終わったら花だけ摘み取り、茎(バルブ)は切り取らずに、1〜2年は残しておきます。古い茎からの養分で新芽が成長します。また肥料も暖かくなるまでは必要ありません。
 

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