レバノンワインの由緒あるワイナリー
シャトー・クサラの様子をご紹介します。
レバノンは中東でもっとも名高いのワインの生産地です。
その歴史は古く、フェニキア人の時代からワインがつくられ、愛好されてきました。
ベカー高原のローマ時代のバールベック遺跡には巨大なバッカス神殿があるのが
そのなによりの証拠です(バッカスとはお酒の神様です)。
現在でもフランスのワイン・コンクールでレバノンのものはたびたび受賞しています。
150年前フランス人がレバノンではじめて作ったシャトーが現在のシャトー・クサラです。
シャトー・クサラはバールベックの近く、標高1000メートル以上の
ベッカ高原の中心部にあります。
湿度が40%と低く、ブドウの発育シーズンに降雨がないため、ワインが病気に
かかることはほとんどありません。
だからクサラのワインはほとんどオーガニック(無農薬)と考えていいでしょう。
というのは殺虫剤や除草剤は使われていないからです。
農薬が使われているのは川に近く(湿度の高い)一部の地域だけです。
そんなシャトー・クサラのワインはベッカ高原のミネラルを多く含んだ美味しく
健康的なワインなのです。
下に見えるのは摘み取り前のカベルネ・フラン(左)とムルヴェードル(右)です。
シャトー・クサラでの摘み取り風景
ブドウ摘みは朝の5時から11時までの間おこなわれます。
収穫はもちろんすべて手摘みです。
気温の上がっていないうちに摘み取るのでワイナリーでブドウを冷やさなくても済むのです。
ベカー高原の特殊な気候は毎年冬に50センチから1メートルほどの雪を降らせます。
この雪がブドウを害虫から守ってくれます。
木の幹は固くなり、根っこはカルシウムの多い複数の土壌に深く入り込みます。
だからシャトー・クサラのワインはナチュラルで、さまざまなミネラルが
含まれているのです。
標高が高く、気温が低いとフルーティなワインが出来上がることも
よく知られています。
ワインを保存するカーヴは一年中11℃〜13℃に保たれています。
全長2キロに及ぶクサラの自然のワインセラーはもともと小さな洞窟で
ローマ時代に発見されました。
その時、猟犬に追われたキツネが岩を通って地下に消えていったという逸話が
今でも残っています。