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スリー オールドヴァインズ “フィールドブレンド” コントラコスタ・カウンティ
●知って頂きたい... この染み入る旨味は特筆ものです。 過去に幾度か試飲をしているスリーですが、このフィールドブレンドの旨味は突出しています。 数百銘柄が一堂に会した国内最大規模のカリフォルニアワイン合同試飲会にあっても、他のワインを霞ませる程、まさに出汁を感じさせるような滋味深さは群を抜くものでした。 (後に聞くと複数のソムリエから賞賛が続いたそうです) 「スリー(3)」とは、ワイン造りの要である「天・地・人」を重視する姿勢に由来します。 拠点のカリフォルニア州コントラコスタは、表層の砂地が深さ10m超にも及ぶ、世界的に希有のテロワールを持つ産地。その砂地がフィロキセラの生存に適さなかったため、葡萄畑は虫害を避け、接ぎ木無しで自根のまま育った、樹齢100年を超える貴重な古木が多く残されています。 ▼混植混醸ならではの奇跡的マリアージュ 「フィールドブレンド」とは、収穫に醸造工程も、あえて分けずに行う「混植混醸」 現在においては、各葡萄品種毎に栽培ブロックを区分けするのが一般的です。しかし19世紀末頃の畑は必ずしもそうではなく、コントラコスタの他にも、ソノマやロダイにある古い畑では、今も各セパージュをそのままとする先が珍しくありません。 新たな葡萄を足したり引いたりすることで、味わい深いワインが実現されることを、長い年月をかけて当時の人は知っていたのかもしれません。 少なくともこのワインは、自然が整えた計算し尽くせない絶妙な味わいを醸し出しています。
【スリー】 “オールドヴァインズ フィールドブレンド” コントラコスタ・カウンティ ▼味わい ほぼ黒紫の濃厚な色調から、果実味爆弾のようなイメージを抱かせるも、口中では印象ががらりと変わります。舌の最も広い中央部分で感じ取ることができ、口中に後味として長く残る味覚。そのような旨味の特色を知覚させる味わいであり、更には、粘膜に刺激を与えることのない柔らかな触感も際立つ魅力です。 多品種フィールドブレンドによる連鎖的な効果でしょう。複雑な風味が密度高く詰め込まれていながら、それらが釣り合いの良い調和を作り上げています。 オールドヴァイン(古木)のワインは、質の安定性や味わいの奥深さにアドバンテージがあると言われる中、この価格でここまで高められたものは珍しいでしょう。 ▼銘柄概要 コントラコスタ郡オークレー地区には、深い砂地に覆われる土壌ゆえに、フィロキセラ禍や禁酒法も乗り越えた、樹齢100年を超える多彩な品種が、接ぎ木もなく自根で生き続けます。 近年、そのようなコントラコスタの貴重な古木を求めるビッグネームが増しており、ベッドロック、ターリー、リッジもそこに名を連ねます。(彼らの大半もフィールドブレンドを選択) 1800年代に欧州の移民が持ち込んだ葡萄品種をあえて区分けすることなく混醸。そのオールドヴァインも、コントラコスタの代名詞的品種のみで構成されており、ジンファンデル、プティシラー、カリニャン、ムールヴェードル(マタロ)、アリカンテ・ブーシェの相乗効果を得て、「ここならではの味わい」を醸し出しています。 【品種構成】上記参照(比率不明)【原産地呼称】カリフォルニア州>コントラ・コスタ群|Contra Costa County, California, USA【タイプ】[赤] フルボディ Full【内容量】750ml
▼生産者概要 ジンファンデル、ローヌ系、スペイン系の品種を手掛けるコントラコスタの造り手といえば、クラインが良く知られます。 近年のクラインには、費用対効果に首をかしげるところがありました。ワイナリー内の不和が影響した為とも聞きます。 (一部を除き弊店はクラインの扱いを停止中) クライン・セラーズの共同創業者であったマット・クライン氏(画像右)が、一方の創業者である兄と袂を分かち、2006年に新たに起こしたワイナリーがスリー。 もとよりマット・クライン氏は、クライン・セラーズの醸造担当を務め続けた人物であり、「16年間の在籍を通じ、クライン独自のスタイル」を作り上げたと言われています。 1980年代に、ワインシンクタンクの最高峰UCデイヴィス(カリフォルニア大学デービス校)で醸造学を修めた氏は、ナパ・ヴァレーのワイナリー(コンクリーク)でもワイン造りを担い、クラインでは、ソノマの畑から造ったシラーで、587本中の最も優れた1本に選ばれた経歴で名を上げました。 1999年と2001年、クラインはワイン&スピリッツ(米国のソムリエが重視する指南書的ガイド誌)から「アメリカン・ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれました。 それもまた、氏の誠実なワイン造りを表す一端です。