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100点輩出源自らのグロワーズワイン完成形 ナパ・ヴァレー最高のシャルドネと評され、数々の有力生産者が熱望する果実の源マーカッサン&コングスガードの数分の一価格でカルト格の片鱗を見せつける《ハドソン・ヴィンヤーズ》 シャルドネ “エステイト” ロス・カーネロス, ナパ・ヴァレーHudson Vineyards Estate Chardonnay Los Carneros, Napa Valley
シャルドネの世界的銘醸地カーネロスにあって、ハイドに並ぶ二大グランクリュの一方がハドソン。性格異なる双方の産出ですが、密度あるマッチョなスタイルでハドソンに勝るシャルドネは見出せません。随所で太鼓判を押される長期熟成ポテンシャルも特筆すべきものです。
■ コングスガード訪問の際、ジョン・コングスガード氏による特別な計らいから、ロット別サンプリングを試みる機会がありました。(2019年6月:画像上左側) 対象は“ナパ・ヴァレー”銘柄(ハドソン×ハイドの構成)。仕込み中の樽から抽出したブレンド前の両畑産を個別に試飲すると、持ち味の違いは歴然です。ふくよかな女性的印象のハイドに対し、ハドソンは石質様なミネラル感を伴い堅固で筋肉質。かつてレイミーがハドソンを手掛けていた頃、幾度か両銘柄の水平試飲をしたことがありますが、やはり同様の結果でした。 当時の旧輸入元スタッフが述べた「熟成後のハドソンには勝てない」との想いにも沿う様、他の造り手によるハドソンでも似た経験を持ちます。 ■ 画像中央は2006年のマーカッサン “ハドソン Eブロック” -Marcassin Hudson E Block- 8年を経ても劣らぬ鮮度と熟成による美質の昇華が極めて高い次元で両立するマーカッサンのそれは、共に並んだ2005年オーベール “クウォーリ”-Aubert Quarry-も遠く及ばぬ水準でした。 ■ コングスガード訪問を終え、午後にハドソンへ移動(画像上右側) そこで供された5年熟成のエステイト・シャルドネは絶品。深い黄金の色調に粘性ある蜂蜜様な酒肉、ブリオッシュとバタースコッチの芳香、濃密でありつつ豊かな体躯に備わるあらゆる要素の釣り合いが見事なものであり、その年に飲んだ中でベストを競う1本でした。
キスラー|ベッドロック|プランプジャック|シュラムスバーグ|ダックホーンも御用達。出色の果実をハドソンに請う先々には、錚々たるビッグネームが並びます。 ■「自分はハドソンこそが最も優れた畑と思っている。」(マイク・ヘイヴンズ) 上記は、ハドソン訪問に同行したマイク・ヘイヴンズ氏が私に述べた言葉です。かつて北カリフォルニア有数のシラーとメルロを手掛けた造り手 “HAVENS”。その創業者であるマイク・ヘイヴンズは、ハドソンからの供給果実により名声を轟かせたものです。(売却後の今は別物) 全世界を対象に、ステファン・タンザーのインターナショナル・ワインセラー(IWC)時代から、アントニオ・ガローニとメディア統合した現ヴィノスに至るまで、創刊より長く実現されずにいた初の確定100点シラーもハドソンの単一畑。コングスガードの醸造でした。(後にPAXが加わる)
《ハドソン》 シャルドネ “エステイト” ロス・カーネロス, ナパ・ヴァレー 100点輩出源自らのグロワーズワイン完成形 【ヴィンヤード概要】“Hudson Vneyards”は“Hudson Ranch”とも称され、“RANCH”の名が示すよう元来は農園。敷地内には、ワイン用葡萄の栽培区画のみならず様々な果物と野菜がオーガニック栽培されるばかりか、自然の生態系に沿うかのよう豚や羊も放牧されている。(マーケットに卸される他、畑前で直売するハドソンの朝市は地元で有名) オーナーのリー・ハドソンは、醸造を学んだUCデイヴィスでジョン・コングスガードと知り合う。やがてコングスガードに果実を供した際、二人の間で交わした栽培契約は「(収量制限を伴う)面積単位」。今では珍しくないものの、それまで一般的な「(質を不問とする)重量基準」に代わる初の契約内容と伝えられる。(画像右:訪問の際にお出迎え頂いたリー・ハドソン氏と100%自家栽培のオーガニック料理。こんなにも美味しい野菜があるなんて) 仏・ブルゴーニュ>モレ・サン・ドニの雄、ドメーヌ・デュジャックが、リー・ハドソンが研鑽を積んだ先の一つ。一代で名声を築いたジャック・セイスの下で、「類稀なワインの実現は、聖なる畑が生み出す偉大な葡萄から」と確信する。帰国後、北はメンドシーノから南はサンタ・バーバラまで理想の地を求めた氏は、1981年にナパ・ヴァレーの小地区へと辿り着いた。陽光の恵みより得られる熟度に旨みの凝縮、二つの湾から北上する冷気による秀逸な酸。これらカーネロスに特有の産地特性に加え、うねりのある丘に広がるハドソンの畑には特異な土壌のアドバンテージも併せ持つ。(上記画像参照) 敷地内には、ホーム・ランチとヘンリーロードの二つに大別される畑がある。 同じハドソンとは言え双方は距離のある先に位置する為、テロワールの違いに従い異なる性格の果実を生む。 それらの中にある個性的な4区画の葡萄から成るキュヴェが当該ワイン。 【ワイン造りと味わい】土壌・気候・台木・クローン・継穂・畑の管理。完璧に辿り着く為には、いずれも怠る事は出来ない。このワインの為となる区画には、爆発的な果実味とそれに見合う適切な酸を蓄積する優良選抜株「ショット・ウェンテ-Shot Wente-」が植えられている。醸造長はクリストファー・ヴァンデンドリーシュ。ブルゴーニュ、ボルドー、スペイン、アルゼンチンでも修行を重ね、ルナ・ヴィンヤーズではジョン・コングスガードの片腕として実務を担った人物である。区画毎に収穫された果実は、ワイナリーに搬入後、とりわけ圧搾に細心の注意を払う。実と実の間に梗が空間を作る全房プレスから質の良いピュアな果汁を抽出。それを軽くゆっくりと行うことでエグミの抽出を避けている。フランソワ・フレール、ダミー、オリオンの各第一級メーカー製フレンチオークを用いる発酵は天然酵母100%(新樽60%)。乳酸発酵まで約10ヶ月を要し、前半は週に1度、後半は月に2度の頻度でオリを撹拌(バトナージュ)し旨みを引き出す。得られた旨みを逃さぬよう、瓶詰前には一切の清澄に濾過も施さない。仕上がったワインに溢れるはまさに「ハドソンらしさ」。豊満なボディながらも一要素が突出する訳でもなく、レモンの皮、梨、桃、炒ったアーモンド、カラメルのニュアンスに石質様なミネラルも感じる複雑性ある風味を宿す。リリース直後から暫くの間はオーク香が強く感じる時もあるが、経年によりそれが馴染めば上記の様なポテンシャルが発揮され、また別の楽しみも残してくれるワイン。 【品種構成】シャルドネ【原産地呼称】カリフォルニア州>ナパヴァレー>ロスカーネロスAVA【タイプ】[白]コクのある辛口Dry【内容量】750ml
“ザ・リッチ”なシャルドネとして有数の一品。経年進化を期待するセラー所有の方には白の熟成用としても大推奨です。 ●2022vtg:リサ・ペロッティ・ブラウン95点(マスター・オブ・ワイン/ワインアドヴォケイト元編集長 現The Wine Independent)|RP94点(パーカーポイント@ワインアドヴォケイト)|WS94点(ワインスペクテイター)