ヘルプ / 不適切な商品を報告
豊かな感性と大胆な試みからカリフォルニアワインに吹き込まれる新たな風 まるで守旧派に反抗するかのような話題作を次々と送り出す気鋭の若手注目株 ロバート・パーカー氏との論争で耳目を集めたジョン・ボネ氏も推奨する数々 《ビリキーノ》 BIRICHINO
初輸入より数年前、とあるシーンでビリキーノを知った時、そのプロフィールに「ランダル・グラムの下で研鑽を積んだ醸造家が造るワイン」とあったことから、大いに興味を抱いたものです。 ならばと飲めば、見込み通りに心躍らせるものばかりでした。 元より人為的なお化粧を良しとしない造り手ですが、ここのワインには「素の美しさ」に加え「退屈とさせない存在感」があります。「単に飲む事だけ」が出費の目的では無く、「出費とは体験への対価」との考えをお持ちの方には、大いなる価値を見出して頂けることでしょう。 「ワイン選びの醍醐味」を覚える「楽しいワイン」です。
ビリキーノ オールドヴァイン グルナッシュ ベッソン・ヴィンヤード 2019vtg:ワインエンスージアスト95点(WE95) 2023vtg:ワインアドヴォケイト95点(パーカーポイントRP95) ビリキーノの中でも創造性を感じさせるワインが、看板のマルヴァジアとこちら。エレガンスを地で行くスタイルですが、誰もに優しい八方美人タイプではありません。 フィネス系支持者は是非ともお試し下さい。 【味わい】濃厚な黒果実のローヌ系をイメージされていたとすれば、「あれ?」と首を傾げるでしょうか。品種名を伏せたならば、「ピノ・ノワール?」と思われるかもしれません。 甘やかなアメリカンチェリーも、酸の釣り合いがあってこそ、その魅力が際立ちます。過熟感に流されず、果実味を凛と引き締めることで、瑞々しさと奥行きが共存するタイプであり、いちごやラズベリーといった赤果実の含みも豊か。麗しい酸と微かなスパイス感が印象を刻み、喉越しにかけての酒肉はつるつるスベスベ。味わいには繊細さと複雑感を兼ね備えます。 アフターは、強いアタックの名残りから急落下するような性格ではなく、長く緩やかなスロープをゆっくりと下るようなイメージ。 この価格帯で手に入るグルナッシュの中では、最高の選択肢に挙げたいワインです。 ■ ベッソン・ヴィンヤード (セントラル・コーストAVA) -Besson Vineyard- オールドヴァイン “V.V.” の名が示すように、古木の最高樹齢は百年超。(1910年植樹) 「世界筆頭級の銘醸輩出率超高密度地区」ことサンタ・クルーズ・マウンテンズの麓で(一定標高未満の原産地呼称はセントラルコーストAVA)、未だ自根で育つ葡萄も残す貴重な畑。同じビリキーノによるピノノワール “セントジョージ”の為となる果実を生む畑でもあるが、当該ピノにおいては自根でなく台木を使い、それはかつての主流であったセントジョージ種。(これもまた貴重) ▼手のひらに乗る程のサイズに味わいの要素がギュッと凝縮した果房 【品種構成】グルナッシュ100% Grenache【原産地呼称】カリフォルニア州>セントラルコーストAVA|Central Coast, California, USA【タイプ】[赤] ミディアムボディ Medium【内容量】750ml
“古樹”を凌駕する齢100年超の“超老木”。興味をかきたてる特徴ある果実。 ビリキーノは「畑探し」を楽しんでいるようにも見える。カリフォルニアの至る場所から果実を得る中、どれもこれも正味の単一畑ばかり。何とも興味深い畑ばかりが並ぶ。 例えば、グルナッシュの為となるベッソン・ヴィンヤード。その所在は「銘醸輩出率世界筆頭級」サンタ・クルーズ・マウンテンズ麓の緩やかな斜面にあり、植樹は1910年に遡る。 樹は接ぎ木なしの自根栽培のみで今に至る上、一切の灌漑が施されぬことも特色とするがが、そのような貴重な果実を、今までどこの誰が手にしていたのか? 答えは、往時のボニードゥーン。あれやこれや様々なワインを造り続けるに従い、増えすぎた品目と生産量の調整を図ったランダル・グラムは、やがて幾つかの銘柄を独立レーベルとしてボニードゥーンから資本を分けた。それにより、幾つかのワインは生産停止となり、それに伴い契約を更新せずにいた内一つがベッソン・ヴィンヤード。バトンを受け渡すかのように、その権利を得た先がランダル・グラムの門徒でもあったビリキーノであった。 ビリキーノのワインには、台木への拘りも見て取れる。 かつて、より優れたワインの生産を目論んだ造り手達は、こぞって従来の主流から新種の台木へ見直しを図った。(セント・ジョージからAxR#1ハイブリッドへ。) ところがやがてAxR#1は、20世紀末にカリフォルニアを襲ったフィロキセラに耐性が無いものと判明し、ことごとく甚大な被害を被るに至る。但し、必ずしも全てでは無く、フィロキセラに襲われた畑から隔離されたガラパゴス的エリアや、表土を砂地とする畑の中には、被害が及ばぬ先もあった。 その一例が画像上。生産性の低いな小ぶりな房であるが、これもまたフィロキセラ渦をくぐり抜けたセント・ジョージからの産物である。 【生産者概要】BIRICHINO Winery アレックス・クラウゼ(Alex Krause)とジョン・ロック(John Locke)の両氏により、2008年にカリフォルニア州サンタ・クルーズ市内に設立。ワイナリーは、Ridge Vineyardsでも知られるサンタ・クルーズ・マウンテンズの山並みを望む平野部に構えられる。 界隈には、リッジのポール・ドレイパー氏に並ぶ当地の二大名醸造家、“鬼才” ランダル・グラム氏(画像右側:Randall Grahm)が率いるボニー・ドゥーン(Bonny Doon)がある。 ランダル・グラムとは、破天荒とも思えるワイン造りの傍ら、UCデイヴィス(カリフォルニア大学デービス校)で教鞭を執るなど「利発なクレイジー」として名高い醸造家であり、とりわけ有名媒体に媚を売るワイン造りには無縁の人柄。 「Mr.Pが好むハイスコアワインなどいつでも造れる。挑発的にそんなシラーを造ってMr.Pに飲ませたら案の定、高評価を得た。」 ワイナリーでお会いした折には、そんな事も述べられていた。 アレックスとジョンは、ランダル・グラムの質実剛健主義に共鳴し、氏の下で研鑽を積んだ。 加えて、イタリアの様々な造り手を経て、仏・アルザスの代表的な自然派生産者、ドメーヌ・オステルタッグ(オステルタグ)でも醸造に携わり、やがて帰国後の独立に至る。 “Birichino”とはイタリア語で言う「わんぱく」。 その意の通り、彼らのモットーは「良い意味の気まぐれさ」を兼ね備えるワイン造りであるも、そこには「香りとバランスの卓越性が必要である」と述べられる。 発酵は土着の天然酵母に委ねられ、農薬を極力使用せぬサステイナブル農法にもこだわりを持つと共に、ワイン造りに際しては「余計なものを加えぬ自然派を志向しつつも、あくまでもそれは最終的にワインそのもののフレーバーに葡萄生来の複雑な構成要素を表わす事が目的」とも添えられる。