2010年代前半に韓国コスメとして登場し、インパクトの強さで話題になったのがカタツムリ由来の保湿成分(カタツムリ分泌液)です。
歴史をひもとけば古代ギリシャ時代の医師・ヒポクラテスが皮膚の炎症やケガをした部分に使っていたともいわれます。
長い長い時を経て1980年代、フランスのエスカルゴ料理に使われるカタツムリの輸出業をチリで営んでいたフェルナンド・バスクーニャン氏も同じことに気づきました。
養殖場で働く人たちの手が作業中に傷ついても回復がとても早いことに気づき、カタツムリの粘液に着目したのです。
医師である息子さんに成分を分析してもらい、その後9年間にわたる研究の結果、美肌効果の高い「Elicina !」(エリシーナ)というクリームとして製品化されたのが普及のきっかけになりました。
中でも「ブラックスネイル」と呼ばれるカタツムリは、冬の訪れと共に冬眠して6ヶ月間も生命を維持することができるほどの栄養を蓄えている高品質な品種です。
ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、グルコール酸など、美肌のためにうれしい成分を豊富に含み、使用感はヌメヌメというよりツルツルすべすべ。
なお、エキスはカタツムリ自体ををすり潰したり絞ったりして(生命を奪って)作られているわけではなく、専用の設備の中でスプレーシャワーによる刺激を与えて分泌液だけを採取します。
その設備は「かたつむりのスパ」ともいわれ、シャワーの刺激によって喜んで動き回ることで大量の粘液を出してくれるのです。
もちろん、採集後のエキスは衛生的に精製・加工されて化粧品原料として流通していますので、安心してご使用ください。 |