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目立たぬアペラシオンで高水準のワインを生む、 掘り出し物とでもいうべきドメーヌ
現在、最も日本人になじみの深いドメーヌ(当主パトリックの伴侶は、ブルゴーニュのドメーヌに嫁いだ初めての日本人)の ひとつとして、ブルゴーニュ好きの間に浸透しつつあるシモン・ビーズだが、その魅力はなにより生み出すワインの水準の高さにあります。
広さ20ヘクタール以上を所有するサヴィニーに特化したドメーヌだが、1995年にラトリシエール=シャンベルタン、 その2年後にはコルトン=シャルルマーニュと、赤、白のグラン・クリュも加わり、その陣容も申し分ないものとなりました。
よりよい状態のぶどう果を生むため畑での作業が最優先されるが、それからもたらされるテロワール毎の差異 (プルミエ・クリュ、ヴィラージュを合わせサヴィニーには7ヵ所の区画がある)を備えたワインを生み出すことがパトリックの信条。
つくりは赤、白ともに伝統的で、赤の場合、除梗は若木(基本的に樹齢が20年に満たないぶどう樹)のみで、 それ以上の樹齢からのぶどうでは果梗は付けたまま発酵槽行きとなっていたが、ここ数年、各ヴィンテージに対しフレキシブルな対応をとり、 ヴィエーユ・ヴィーニュからのぶどうでも年によっては除梗するケースが見られるようになった。開放の木製発酵槽でのアルコール発酵、 ピジャージュも人手により色素、要素の抽出。新樽の割合はおよそ3分の1で、16ヵ月から18ヵ月間の後、瓶詰め、というのが基本のつくり。
白はグラン・クリュからACブルゴーニュまで基本的にピエスでの発酵、ほぼ1年間の熟成の後、瓶詰めというもの。 レジオナルであるACブルゴーニュにはしっかりとリュー=ディも明記されているが、さらにピノ・ブーロという表記のものがある。 これはそれまでシャルドネ種と混ぜていたピノ・ブーロ種(ピノ・グリ種の別名)を分けて、単独でつくるようになったため。
また2004年ヴィンテージからいわゆる自然なつくりのスタンスにたった、今までとは異なるキュヴェをリリースした (シャンプランの区画からのワインだが、名称としては単なるブルゴーニュ・シャルドネとし、ラベルのデザインも一連のドメーヌものとは変えた)。 これはシャプタリザシヨンもアシディフィカシヨンもおこなわず、イノックスで発酵、熟成し瓶詰めという、ドメーヌとしては初めての挑戦となる白で、 SO_も最小限に抑えた。ワインはアルコール度数も12.5パーセントと十分、ピュアな酸がバックボーンとして全体を引き締め、ダレたところのない、 シャプタリザシヨンなしで十分にバランスのとれた味わいに仕上がっていて、味わいの奥には蜂蜜のような甘さも感じさせる完成度の高いもの。
上記の白の素晴らしさは、ドメーヌの大きな魅力のひとつだが、なんといっても赤の素晴らしさは出色。 どれもしっかりした構造があり、滑らかさも十分で、そのテロワールの差異を反映し、同じプルミエ・クリュでも色調から全くといっていいほど異なる。 なかでもオー・ゲットとレ・セルパンティエールは隣り合ったクリマにもかかわらず、その色調、 風味、味わいともに似て非なるテロワールであることが一飲瞭然です。
また、最近ではドメーヌもの以外にもぶどうを買い付け、シュヴァリエ=モンラッシェのリリースを手掛けるなど、 サープライズも見せてくれるシモン・ビーズ、これからも目が離せない。
前号では樽試飲した赤ワインのみをレポートしたが、今回はビン詰め済みの赤白両方を紹介。 ともかく結論から言うと、シモン・ビーズは当然と言うべきかこの困難な07年において優秀な ワインを造り上げた勝ち組だ。 フルーツが美しくたっぷりとあり、タンニンはきめ細かく上質。 ミネラルにあふれ、良いワインに必ずある調和と求心力が備わっている。 どのワインからもクラスに応じた満足感を得ることが出来るが、白眉は1erのオー・ヴェルジュレスと 07年が初リリースのレ・タルメット。サヴイニーの一連のワインの中で、とりわけ真ん中方があり、 キメがあり、液体にコア感がある。加えてとことんナチュラルなワインであり、ここが自然派生産者で あることがよく分かる。また、白ワインも大健闘している。 何度も言うが、07年のコート・ドールの白は優良生産者であってもかなり苦戦しているが、 シモン・ビーズはその困難な壁を難なく乗り越えている。 リアルワインガイド26号 |
ガラス細工のように繊細でダイヤモンドのように眩い、日本人を魅了してやまない 美しいワインを生産するシモン・ビーズの2005年は、本紙試飲開始以降では 間違いなく最高の出来となった。 白ワインの主力チームをテイスティングしていないので赤ワインに限って申し上げるが、 全体的に例年より密度が高くて、甘みがしっかり乗っていて芳香も例年より強くて複雑な印象が残る。 なかでも特に素晴らしかったのはマルコネ、加えてACブルは小粒なワインだがとても美味しかった。 畑名付きの村名も安定感があって十分以上に価格に見合っている。 ところで、おおよそ失敗作はなさそうに見える中、唯一最上なはずの ヴェルジェレスには厳しい評価が下った。 だが一言弁護すると、点数は正直な結果なので致し方ないとしても、試飲の際に感じた 出自の良さは隠しようがないので、この点ではボトル差の可能性は残る。 ヴィンテージ全体の印象からしても、葡萄の健全性からしても失敗するはずはないと思うからだ。 リアルワインガイド20号 |
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