シャトー・ムートン・ロートシルト
 


 
ムートン=ロートシルトは故フィリップ・ロートシルト男爵が独自につくり上げた場所であり、ワインである。21歳でこのシャトーを得たとき、彼が並々ならぬ野心を抱いたのは疑いないことだ。

しかし、豊かで著しく深みのあるエキゾチックなスタイルのポイヤックの生産によって、彼は
「1855年のメドックのワインの格付けを変えさせた、唯一の男」
になったのである。

男爵は1988年1月に死去。今はその娘フィリピンヌがこのワイン造りの帝国の精神的頂点にいる。彼女は常に、パトリック・レオン率いる有能なムートン・チームの頼も
しい協力を得てきた。

1973年、ムートン=ロートシルトは公式に『一級シャトー』と格付けされる。

こうして、異才の男爵は、彼の挑戦的ワインのラベルの言葉を、
『一級にはなれないが、二級の名には甘んじられぬ、余はムートンなり』から、
「余は一級であり、かつては二級であったムートンは不変なり」

と変えた訳である。

疑問の余地なく、私が飲んだボルドーの最もすばらしい瓶のいくつかはムートンだ。

ロバート・パーカー著
講談社「BORDEAUX ボルドー 第3版」より抜粋
 



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