ロマネ=コンティとラ・ターシュに挟まれたグランド・リュを単独所有
コート=ドール産赤の核心地ともいうべきヴォーヌ=ロマネには、ロマネ=コンティを頂点に4つのグラン・クリュのモノポールがある。そのひとつが、このドメーヌ・フランソワ・ラマルシュ所有のラ・グランド・リュ。場所はロマネ=コンティとラ・ターシュの間という絶好の立地で、東西およそ300メートル、南北約50メートルの細長い矩形の区画。ロマネ=コンティよりやや小さめの1.65ヘクタールの広さに、樹齢30年強のぶどうが植わっている。
このグランド・リュ、最も新しいグラン・クリュでもある。1992年のミレジムより、以前のヴォーヌ=ロマネ・ラ・グランド・リュというプルミエ・クリュからグラン・クリュに昇格した――プルミエ・クリュからグラン・クリュへの格上げは、1981年、モレ=サン=ドニのクロ・デ・ランブレーがプルミエ・クリュからグラン・クリュになった事例とこのグランド・リュの2例のみ――。
18世紀の半ば以来、代々ヴォーヌ=ロマネに居住し、ワインを生んできたラマルシュだが、ドメーヌではこのグランド・リュ以外にも3つのグラン・クリュ――グラン・エシェゾー、エシェゾー、クロ・ド・ヴジョー――があり、合わせると11ヘクタール強の地所のうち、半分近くをグラン・クリュが占め、残りの3分の1もプルミエ・クリュというクオリティの高さを誇る。これら所有する区画はヴォーヌ=ロマネ村中心の構成となっていて、樹齢もグラン・クリュが平均で30年、プルミエ・クリュで40年ほどと安定している。
現在、当主フランソワの娘ニコルがつくりを担当。収穫時に加え、最新の微振動選果台を備えたカーヴでと2段階でしっかりとトリを付す。余分なストレスを与えないよう、果汁とワインの移動はグラヴィティ・フローでおこなっている。ぶどうは除梗――年により2割ほど果梗を残す――はするものの破砕せずに木製――一部イノックス――の発酵槽行きとなる。また、ぶどうが完熟した年――最近では2002年、2003年、それに2005年や2007年――にはシャプタリザシオンはなし。低温のマセラシオンの後、アルコール発酵中はルモンタージュをしっかりおこない、新樽比率は6割から10割と高めで、期間は16ヵ月から20ヵ月におよぶ。そして清澄、フィルターはなしで瓶詰め。
しっかりした色調ながら濃すぎることのないワインは、エレガントさとフィネスを感じさせてくれるもので、リリースされて直ぐもヴォーヌ=ロマネらしい甘い風味を愉しめるが、やはりじっくりと熟成させてこそ全開となるうまみ、味わいを愉しみたい。なかでもフラッグシップのグランド・リュが備える重層的ながら繊細な香味――ラ・ターシュよりはロマネ=コンティに通ずる――には素晴らしいものがあり、接しているグラン・クリュに較べるとその割安感が際立つが、立地、テロワールからすると価格の上昇は時間の問題。
なお、2006年のミレジメからニュイ=サン=ジョルジュのプルミエ・クリュ、レ・クラが加わった。
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