製品ができるまでのヒストリー(海へ)

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実は我が家は長年粉せっけん支持でした。
それというのも昔合成洗剤の公害が問題になっていた記憶がしっかりありましたし、海のこと、川のこと、飲み水のことを考えたらどうしても合成洗剤は使えなかった。合成洗剤よりせっけんの方が汚れ落ちもよかったです。
よい粉せっけんならゴワゴワしないから、汗を吸わなくなってしまう柔軟剤も不要だし。



でも寒冷地の人と「溶けない」話をしたり、運動会でこどもの体操着が一際「黄ばんでいる」のを発見したり、洗濯機の洗濯槽でしばしば「黒いカビ」にお目にかかったり、せっけん使用が一般的になると今度は金属せっけんの害が問題になることを考えたりしている内に、なんとかもっと良いものは作れないかな、と思うようになりました。しかも工業排水の規制が厳しい現在、家庭用排水の方が水質汚染全体のマジョリティになりつつあるし。



がんこクロスを作ってから約6年経っていました。「汚れ」の正体がわかって、水溶性の汚れはせっけんもがんこクロスも要らないくらいのものだ、それはこすれば取れるということが分かっていました。塩と竹炭で洗う人もいます。と、なれば問題は油の汚れなのははっきりしています。この「油汚れをひっぱがす」ためにせっけんがある。合成も非合成も界面活性作用というのはそれなのです。この作用には数段階あってひっぱがすことになるのですが。より自然界に戻りやすい形で、と思ったから最初はカリウムせっけんで作りました。



油をアルカリに反応させるとせっけん(界面活性剤)になるのですが、それをナトリウムでやると固形になり、カリウムでやると液体になります。洗濯は水という液体の中で行うわけだから液体せっけんの優れたものを作ろうと決めました。できた液体せっけんは当然腐ります。防腐剤を入れるのが嫌だったので、青森ひばで抗菌=腐り止めをしました。洗浄力に粘性が必要だったのでコーンスターチやじゃがいもデンプンも試しました。その辺でできた液体せっけんの見た目はちょっとにごった黄金色。あまり素敵ではありませんでした。しかも品質最高でもなかった。今世の中にあるレベルのモノならわざわざ作ることはありません。

つまってしまっていた頃、海洋タンカーの事故処理研究の途上で生まれた基剤と出会うことになりました。合成洗剤でした。 それが目を大きく開かせてくれたのです。
これまで自分も洗剤、せっけんで「油をひっぱがす」ことしか考えていませんでした。剥がされた油はどうなるのだろう?それは再度集まって大きな固まりになり、水の表面に油膜を作るのです。糸クズや微細なゴミをくっつけて排水パイプの壁面にへばりつき、せっけんならアルカリが水中のミネラルと結晶して金属せっけんとなって、さらに大きな固まりを作ってしまう。これをヘドロと呼んでいます。難水溶性のどろどろ。難水溶性は水に溶けにくいという意味ですね。




海洋タンカー事故で大量の油が流出する、それを現在では大量の苛性ソーダ(強アルカリでせっけんの原料)を海中に投入して処理しています。つまり巨大な水に溶けない金属せっけんを海に沈めているわけです。「海へ...」の基剤を開発した研究者は、処理に困る油を分解していわば水溶性にしてしまうことを考えていたのです。




この基剤を基本の洗浄力にしよう!今まで作った幾つもの試作をあっさりやめて、やっと「海へ...」の原形の模索が始まりました。界面活性作用が優れている上に油を分解する、なのに界面活性剤濃度が極端に薄い(16%)。そのため防腐剤を添加しないと腐ってしまいます。毒性が極めて弱くバクテリアを殺さないのです。今までの試作で青森ひばで抗菌した経緯があったので、エッセンシャルオイルで抗菌することにしました。さて、それからは香りの実験。たくさんのブレンドを周囲の人々に試してもらって、やっとできたのが今の香りなのです。



液性が中性のためにシルクもウールも洗えるし、使う量は少ないし、すすぎの回数は減らせるし(もともと自分の目的は水質汚染防止。使う量が少なければ汚染も少ない。)、排水も詰まらない。気になる生分解も100%です。たったひとつの弱点はタンパク質系の汚れに弱いこと。血液などのシミを落とす力は固形せっけんにかないません。用途に合わせて、ぜひ試して下さい。「海へ...」の不足を補強するものとして、固形せっけんや部分洗い用のブラシ、一滴1mlが計れるポンプも押さえました。










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