『本当に小さいけれど、おすすめのドメーヌ』
Domaine Gasse Lafoy (ドメーヌ・ガス・ラフォア)
オーナーの Vincent Gasse (ヴァンサン・ガス) さんは、ロワールのヴーヴレ出身で、当初はワインとは全く関係のない仕事をしていましたが、奥様の家族が
Ampuis (アンピュイ: AOCコート・ロティ の中にある中心的な町)でワイン生産をしていたことから、コート・ロティーに興味も持ち始め、1980年からワインを造り始めました。
畑の総面積1.5ha (コート・ロティー 1ha、サン・ジョセフ 0.3ha、コンドリュー 0.2ha)。本当に小さい。彼曰く
「ウチはアンピュイで最も小さい」。
ガスさんがワインを造る際に一番大切に思っているのは、自然を尊重するということです。Nature et Progres
(ナチュール・エ・プログレ)というエコロジーの民間団体に加入しており、その厳しい規定を守りながら造っています。いわゆる有機栽培になるのですが、この団体の規律は栽培段階の規定のみにとどまらず、醸造においても厳しい規定があり、それを尊重しながらワインを造っています。
ワインのラベルには、下方に 「エコ・ビオロジック栽培者によるワイン栽培と醸造。合成化学肥料、殺虫剤、除草剤は使いません。
ナチューレ・エ・プログレ規定」と書かれています。
彼がコート・ロティに土地を購入したのが1983年。’85年より本格的に植樹し、’88年が最初のヴィンテージです。その後徐々にロティーの地にヴィエーユ・ヴィーニュの区画(0,4ha93年購入)やサン・ジョセフ、コンドリューを手に入れていったらしい。
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古いヴィンテージはドメーヌにまだ現存するのか?
「家族用に少しあるだけ。古いヴィンテージを大量に持っているとすれば、大手か売れない生産者だね。」温和な彼からチラリ、と出た自信に満ちた言葉だった。 |
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大変残念ながら、ガスさんは今年のヴィンテージをもって引退することになりました。以前からドメーヌで手伝いをしていた人が引き継ぐそうです。今年のヴィンテージが出荷されるのは2年後で、それで気が変わらなければ最後のようです。
勿体ない。勿体なさすぎる。「将来大化けする確信」 を得たというのに。彼のワインを10年後に飲んで感動しても、多分もう一度オールド・ヴィンテージが出て来る可能性は皆無で、しかも新しいヴィンテージを買って寝かせておくことも出来ないのですから。
醸造はごく伝統的。第一次発酵を開放型木製の大樽で約15日間行った後、キュヴェの一部をデレスタージュ、その後、樫のバリックで22ヶ月間熟成させる(キュヴェ毎に1年、アッサンブラージュ後10ヶ月)。新樽がワインの個性を隠すことを避けるために、新樽は一切使わない(フランソワ・ヴィラールの1年使用樽を購入。その後約10年使う)。ポテンシャルのあるシラーはタンニンが強いが、それを和らげるためのセパージュ・ブランは使用せず、代わりに澱引きによって酸化を促す(初年度に3回、次年度に2回)。コンドリューのみ卵白で清澄するが、赤ワインは清澄、濾過は一切行わない。S02の使用はナチューレ・エ・プログレの規定量(80mg/l)の約半分。ブルゴーニュのリュット・レゾネ実践者よりやや少ないくらい。ビオ生産者としては多く感じられるが、ボルドーのシャトーの殆どが少なくとも200mg以上使用していることを思えば、やはり少ない。(この点に関しては、ワインの醸造自体が完全に自然ではあり得ない、とのこと)
『Domaine Gasse Lafoy 』
◆作付面積1.50 ha(うち、コート・ロティー1ha、サン・ジョゼフ0.30
ha、コンドリュー0.20ha)
◆土壌ローヌ川を見下ろす谷に片岩、雲母片岩が広がる。谷は30%から50%という急傾斜だが、太陽光がすべてに最大限に届く。
◆栽培 有機栽培除草剤はまかず、手か引き抜くか、機械で耕す(斜面による)。収穫量を抑えるためにグリーンハーヴェスト等を行う。収穫は手作業。
◆醸造 50%から70%徐梗したあと、コールドマセレーションを行う。アルコール発酵(自然発酵、人口酵母は一切添加せず)。発酵期間中、一日2,3回のピジャージュ、果皮浸漬を含め15日間かける。その後2年間ほど樽醸造(樽は新樽を使用せず、1〜2回使用されたもの)。清澄、フィルターにかけることなく瓶詰めされる。
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