アカネで染める

草かんむりに西、で茜(アカネ)。夕焼け色に思いを馳せた、なんて浪漫ちっくなネーミングでしょう。もともとは「赤い根」が語源で、文字通り根を用いて赤を染めます。
日本で手に入る、セイヨウアカネ:Maddar root(Rubia tinctorum)、インドアカネ(Rubia Munjista)、ニホンアカネ(Rubia akane)の3種類があります。
同じアカネでも、セイヨウアカネとインドアカネの色素は、アリザリンという成分が主で、ニホンアカネはプルプリンが主成分という違いがあります。
それが理由かどうかはわかりませんが、セイヨウ、インドともに、少量でもたいへん明快な濃い色が得られます。どちらも、当然鎌倉には生えていませんのでこの2つについては染料店で乾燥ものを買っています。
これに対してニホンアカネは、何度も染めてやっと赤味がさすというぐらい手間がかかります。
アカネは古来から生薬としても有名でした。また、セイヨウアカネの成分 、アリザリンは食品添加物(食紅)として使われた時期があったそうですが、発がん性の疑いが出たことから、使用中止になったそうです。現在の食紅は主にコチニール(貝殻虫の一種)です。
鎌倉には今でも、ニホンアカネの群生が見られますが、イロイロな外来種の種が野原に飛来したり、宅地開発の際、別の土が持ち込まれたりすることから、年々目にしなくなっています。
コロンビア人の人道活動家の知人エクトル・シエラが、子供の絵のワークショップをしていて気づいたあるエピソードを教えしてくれました。
戦争被災地の子供は太陽を黒く塗ることが多いのだそうです。胸が痛みますね。また、イスラム文化圏の子供も同様に黒く塗ることがあるそうで、これは、砂漠という過酷な土地で生きる彼らにとって、太陽が必ずしも恵みではないから、という説があるのだそうです。
エクトルさんの故郷南米では、黄色。陽気なラティーノ気質が出ていますね。
言うまでもなく、日本の子供たちは、お絵描きで太陽は真っ赤にします。
不思議ですよね、よく考えると。
きっと日本人にとって太陽は、東の空や西の空を真っ赤に染める、「日の出」「夕焼け」と同義語なのでしょうね。
花言葉は、私を思って・媚び・誹謗・陰口・傷
ちょっとこわいですね・・・。
(hanakotoba.name 花言葉事典より)
そんなアカネ(インドアカネ)で染めたスカーフは→こちら
ツツジで染める

ツツジ科の常緑低木。サツキやシャクナゲなども含んでその総称としてこの名があります。ヨーロッパからヒマラヤ山麓、日本、さらにベーリング海を経てアラスカ辺りまでが原産という、ワールドワイドな植物。
カジュの庭には、2本の大きなオオムラサキがあります。先月末に花が終わった一本を剪定したので、染めてみました。すず、アルミの媒染で、この初夏の日差しを思わせる柔らかな黄色、鉄媒染で、透明感のあるグレーが出ました。その黄色は、前向きな気持ちをやさしくサポートしてくれるような感じがします。 花言葉は「節制」。・・・そのわりには、カジュのオオムラサキは乱れ咲きの感じだな。え? アタシに似た? ・・・かも。
漢字で書くと「躑躅」。読めても書けませんって、これ。
ビワで染める

鎌倉界隈で、お庭の一角にうっそうと茂る濃い緑の大木を見かけたら、それはたいていビワ(枇杷)の木です。洗濯板状にナミナミとした葉っぱは、大きいものですと、30センチぐらいのものもあります。
仏典、『大般涅槃経』(だいはつねはんぎょう)の中で、ビワの木は「大薬王樹」、葉は「無憂扇」と呼ばれ、昔から、様々に病を癒す植物として知られていたようです。日本には、唐招提寺の鑑真和尚が中国からその効用を伝えたと言われています。特に葉に多く含まれるアミグダリン(ビタミンB17)という物質には、殺菌、抗菌の効果があると言われており、昨今、ビワにまつわる民間療法の人気は再燃していて、各方面で注目されているようです。
銅媒染で、美しい茶味の赤を得ます。赤味を強くするには、煮出した液をすぐには使わず、一晩寝かせるとよいようです。一位(あららぎ)、槙の木、珊瑚樹とならんで、なかなか得られない赤を得る貴重な染材です。
煮出した葉っぱや煮出し汁は、お風呂にいれると、体が温まり、肌荒れに効果抜群。私は、冬に採取した固い葉を焼酎につけて、グリセリンを加えて化粧水をつくっています。アカギレもちの私には必需品です。
花言葉は「温和」「治癒」「あなたに打ち明ける」
そんなビワで染めたスカーフは→こちら
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