
若い頃から、アートデザインの世界に興味を持っていたアレクサンダー・ブーハンズ(AlexanderBurhans)。特に彼が惹かれたのは、華美すぎずシンプルで、それでいて用と美の調和がとれたデザインでした。アレクサンダーがたちあげた独自の時計ブランド、それが「a.b.art」です。クオリティが高くリーズナブルな価格で、かつ流行に左右されないデザイン。それをアレクサンダーが創り出したのは、とても自然な流れでした。
実際、アレクサンダーがジュエリーと時計のビジネスを始めたのは1989年。スイスのフリブールにある小さな小売店が彼のスタートでした。1990年代の終わりごろには、「a.b.art」ブランドの時計は、なんと年間1万2000点以上も販売されるようになり、その勢いは、ドイツ、スイス、オランダ、ベルギー、ノルウェイといったヨーロッパ諸国、そしてアメリカや日本にまで広がりました。
めざましいほどの急成長。そしてそれは同時にデザインのクオリティを維持しつつも厳しい価格競争にさらされることを意味しています。そこでタッグを組んだのが、ファッションタイム(fashiontime)社。ファッションタイム社は、時計産業の首都とも言えるビール(スイス北西部の都市)にて1985年にフランシス・ザンド(FrancoisZahnd)が創業したスイス時計のブランドメーカー。現在では、「a.b.art」ブランドの時計の生産に関与するだけではなく、流通とマーケティングも担当しています。
このコラボレーションは成功し、1999年には「Theform99award」を受賞。数多くの時計専門誌等が「a.b.art」ブランドの特集を組み、ついにはそのデザインの独創性から、ニューヨーク近代美術館(MOMA)のミュージアムショップが取り扱いをはじめたモデルもありました。2003年、アレクサンダーは世界の「a.b.art」ファンの需要にこたえるべく、そのレーベルをファッションタイム社に統合させました。シンプルで余分な装飾のない「a.b.art」の時計は、オーセンティックで洗練されたデザインとして男女を問わず支持されています。
