工具「ちょっとしたお話」 トルクドライバー

熟練したメカニックたちに規格品のスパナを与え各サイズのボルトを勘で締付したデータを基準トルク(どんなボルト・ネジにもあります)と比較して分析してみると、小さい径のボルトは締めすぎ、大きくなるに従って締付不足の傾向にあるようです。
これは、基準締付トルクはネジ径の3乗に比例して変化するが、スパナの柄の長さは、口径すなわちボルト径に比例してしか長くなっていないからです。
| ネジ径(六角対辺) | M6(10) | M12(17,19) | M24(32,36) | | 標準締付トルク | 9.2N.m | 76N.m | 650N.m | | スパナの全長 | 105mm | 177mm | 315mm |
ドライバーの場合は、理想的なトルクで締付する事は更に困難になります。 ネジ径がM4の締付トルクは、M3の約2.5倍ですので、全く同じ+No.2のドライバーを使いながら、握力(回転力)を2.5倍にしなければ締付不足になります。 実際には、悲しいかな締付トルクはほとんど同じ値になっています。
| ネジ径 | M3 | M4 | M5 | | 理想的な握力比 | 100 | 250 | 500 | | ドライバー尖端形状 | +2 | +2 | +2 |
トルクドライバーは、精密機器の組立て現場以外では非日常的ですが、均一なトルクで締付しないと良い音が出ないスピーカーの取り付けネジ、過大なトルクでは山をつぶしてしまうアルミ製のネジなど精密な締付を要求される箇所には、トルクレンチ以上に必要な道具だと言えます。
以上トルクに関する勉強会でした。 普段ボルト・ナット・小ねじを締付する時、この事を少しだけでも意識してくださいね。 |