飛行機の操縦技術については文句の無い才能を持ちながら、パイロットとしての適正に欠ける奔放な新人女性パイロット。そんな彼女が空の上でのトラブルに立ち向かう、という作品。ちょっとアブないくらいのヒロインの魅力と、数百名の乗客を乗せた旅客機での事件という緊迫感のある展開に、クライマックスでの盛り上がりとカタルシスもある内容でして。「職業モノ」としてもかなり面白い作品。新谷かおるの「ALICE12」が好きだったもんで、ある種の懐かしさとともに嬉しくなっちゃったよ。 主人公、長谷川ありすは若手の新米パイロット。幼い頃から父親より英才教育を受け、飛行機の操縦技術に関しては天賦の才を持ちつつも、無軌道無鉄砲で人格に少々問題があり、いまだ貨物線の副操縦士という立場。そんな彼女に目をつけたのが、ある一人の少年。彼には予知能力があり、トラブルに遭いそうな飛行機が分かるらしい。そして彼とともに、極限のシチュエーションへと挑んでいく、てな感じ。旅客機パイロットをテーマとする職業マンガでありますが、キャラや設定、ストーリー展開等が高いレベルで融合し、一級の娯楽マンガとなっている本作。んで、なんつっても、ヒロインのありす嬢が良いですな。「莫迦なのか大物なのか」「野生動物」と言われるような娘さんであり、多数の人命をあずかり大事故につながりかねないようなピンチにあって、悪魔的な笑顔を浮かべて「死ぬほど楽しいっ!」と言っちゃうのだ。この笑顔が非常に印象的で良いね。でもって高田裕三キャラなので、見た目はいたってかわいい。これ重要。制服に制帽の姿もキマってるしな。また、それぞれの飛行機に起こるトラブルについても、シチュエーションの作りこみが巧いため、緊迫感とスピード感のあるドラマとなっております。んで、ヒロイン一人が全てを片付けるのではなく、管制官や乗務員を初めとする周囲の人々の動向もちゃんとフォローすることで、奥行きのある状況が生まれており、立体的で真に迫る緊迫感が生まれるのですな。そして、どうにもならないような危機的状況の中、一歩間違えば大惨事というところでの、主人公達の採る手段もいちいち盛り上がるんですな。まぁリアリティから言ったらムチャクチャなとこもあるんですが、前述の状況の作りこみが巧いため、「らしさ」がしっかり出ておりまして、読んでる最中はツッコミ入れるどころじゃないくらい白熱できるんですな。ドラマの良さと、重さと奥行きと「らしさ」のあるシチュエーション。地味になりそうな職業モノを、キャラの魅力で牽引し、かなり出来のいい作品です。オススメ。あと、ジャンボジェット漫画で「アリス」というと、新谷かおるの「ALICE12」をどうしても思い出しちゃうんですが、なんか意図したところがあるんですかねぇ。そうだとしたら嬉しいな。そしてあわよくば夢の競演とか・・・。あったらいいなぁ〜〜。
(筒口)