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昭和二十年代の六十年も昔のことですが、かつて皇室新年の御用酒という制度がありました。それは全国品評会で第一位から三位に入賞した造り酒屋が、そのお酒(一升瓶二本)を絹の布で包み桐の箱に入れて皇室に献上し、お正月の神事にお神酒として使われたのです。蔵元の中尾醸造(株)さんは、昭和23〜25年の三年間、皇室新年御用酒の栄を賜ったわけですから、当時の造り酒屋にとってこれほど栄誉なことはありません。
またこの蔵元さんを語るとき三代目当主、中尾清麿氏を忘れることはできません。氏は昭和23年わが国で初めてリンゴから採取した芳香ある酵母を分離育成することに成功しました。その時代に生まれた独自の酵母や製法は、今の酒造りの随所に引き継がれているのです。
中尾醸造(株)さんは明治4年、広島県竹原市にて創業です。 |