より安全で高性能そしてなによりの楽しい自転車を考えた末に、いまや常識的になっているライディングポジションに手をつける結果になりました。ジャイアントの「リバイブ」や日本の「タルタルーガ」などのセミ・リカンベントタイプの前例が参考になりました。しかし一般のリカンベントタイプの自転車は多くのメリットをもちながら、バランスがとりづらく低速安定性に問題があると言われていました。
普通自転車の場合は体重をハンドル、サドル、ペダルに分散させて重心をコントロールすることで車体バランスを維持しています。リカンベントタイプで普通自転車のような前方ハンドルにした場合、実はハンドル部分に対する体重分散はほとんど無くなってしまいます。「エス・17」では座席付近にハンドルを引き寄せ、さらにハンドルの回転軸を垂直方向に維持しました。操縦者は体重をハンドルバーにかけることで容易に重心バランスがとれると考えたのです。2輪でアンダーシートの自転車の例はあまり多くなく設計中は半信半疑でした。
最初の試作品に乗った時の開発者の驚きは尋常ではありませんでした。非常に乗りやすいばかりか、その気になれば後退した座席位置と低重心の効果も加わりクイックで気持ちのいいハンドリングを味わうことができたからです。
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