20世紀初頭、ドイツのフェルディナンド・フォン・ツェッペリン伯爵(1838 - 1917)が生み出した巨大飛行船“ツェッペリン”は、かつては今日のジェット旅客機と同じように世界の主要都市を結ぶ“大空の王者”だった。文字どおり、当時のドイツの誇りであり、『旧友』でおなじみのカール・タイケも『ツェッペリン伯爵』という有名なマーチを作曲している。
大空に浮かぶその巨大飛行船をテーマに作曲されたドスのこの交響曲は、演奏時間が38分近い力作! 曲は、伯爵が構想を練り上げていくさまを描いた第1楽章「固定観念」、飛行船プロジェクトに関わる人々が情熱をこめて働く工場の様子を描く第2楽章「機械のような人々」、世界の主要都市と人々を結びつけるクジラのように大きく長い姿の飛行船を描く第3楽章「空のクジラ」、戦時にはロンドン空爆にも使われた悲劇、破壊、恐怖、しかし飛行船のシンボルとして今に生きる“ツェッペリン”を描いた終楽章「転生」の4つの楽章からなっている。
テーマの雄大さと劇的な情景描写、さらには重厚で緻密なスコアリングから、ドスの最高傑作のひとつであることは疑いなし! ぜひとも、日本のステージでもどんどん取り上げて欲しい作品だ!
【トーマス・ドス】
1966年6月6日、オーストリアのリンツに生まれる。リンツのブルックナー音楽院にトロンボーン、作曲、指揮、ピアノを学ぶ。その後、ウィーンの音楽学校、ザルツブルク、モーツァルテウム音楽院、マーストリヒト音楽院などで、さらに研鑽を積む。その後、アメリカ・ロサンゼルスのユニバーサル・スタジオで、ジョン・ウィリアムズのスタッフとして活動した。
『アトランティス』、『アルピナ・サガ』、『セント・フローリアン・コラール』、『シダス』など、ウィンド・バンドのための多くの作品が人気を集めている。
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